釵の注文を受けて、「何グラム程の釵をご希望ですか?」
という質問をすると、いくつかの回答がありました。
そして、参考になるお話も聞きました。
「軽ければ、軽いほど良い」
私が、気になって、「曲がりませんか?」と聞いたら、
「長年やっていれば、“流し”という技術が身につくから、曲がることは無い」
「大会に出場するのに、私が所属する団体には規定があって、男子は650g以上でなければならないので、それで、お願いします」
「試し割もしたいので、重いほどいいのです」
「セミナーに出席したら、殆どの方が軽い釵を持っていた。
聞いたら、“削って軽くした”と言っていました。削ってくれませんか?」
「尖端を鋭く、突き刺さるようにして欲しい」
私が気になって「危なくないですか?」と聞いたら、
「居合道では、有段者になると、模造刀ではなくて、本物の日本刀を使用する
ことになるが、それと一緒で、真剣みが出てくるので、それが良い」
「今、銀メッキをした模造刀のような釵が出回っているが、隠し武器なのだから、光らないで、目立たないような色合いにして欲しい。
黒色なら、太い釵は細く見える。細い釵は重量感が出るだろう」
平均的には、若者が重い釵。 熟練者・年配者が軽い釵。
そういう感じに見受けられました。
インターネットで、日本刀の重さを調べてみると、「800g~1.5kgで、平均は1kg」
とありました。
釵とは重心の位置が異なりますが、これを両手で扱います。
釵は、元々が“隠し武器”で、逆手に持って相手に見せなくしておいて、瞬間に順手に変えて、攻撃する。居合道のような動きをする武器です。
武器となれば、大きい・長い・重い等が有利ですが、携帯用の隠し武器となると、
そればかりではありません。
『小が大に勝つには、スピードと技』
時々女性からの注文もありますが、殆どが男性であるので、約600g~700gの釵を製作して、「650gより重いですか?軽いですか?」という聞き方をしていましたが、その回答は、重い方も軽い方も、殆ど同じでした。
700gを超える方がありましたので、約700g~900gの製作を追加しました。
これは、今までより材料が異なりますので、若干高くなります。
どの釵も、ピッタリと何gではなくて、約何gという重量です。
さて、貴方は何gが宜しいのでしょうか・・・・・・・・・・
ちなみに、他社製作の釵の重量を計ってみました。
1組のうち、1本は687gでもう1本は697gでした。
当館でもそうですが、2本1組をぴったり同じ重量にするのは難しいのです。
しかし、この10g程の差があっても変に感じることなく使用しているのです。