釵の購入に関してのお問い合わせを有り難うございます。
当館の製作する釵は、ご希望の長さ・重量・手の大きさ等を確認してからの
受注生産品で、オーダーメイドの釵となります。
[長さ]
丸型鉄棒は5.5mを定尺として販売されています。
これを50cm毎に切断していけば、11本の釵が出来ます。
よって、既製品は無駄を無くすために、50cm以下で製作しています。
しかし、当館では、ご希望の長さで製作致します。
[バランス]
まず1本を製作して、それを全く同じ形状・重量になるように、もう1本を製作します。
物打ち部分は、バランスを考慮しながら、丸棒を八角のテーパー状に、手作業で研削します。
この「八角形」には、昔からの深い意味がありますので、疎かにはできません。
「テーパー状」も、捕り方の御用十手とならないように、疎かにはできません。
そのときに、ちょっとした手加減で、若干の重量の差が出てしまいます。
簡単に終わると、バランスが45度程になったり、左右の重量を合わせようとして、研削に夢中になっていると、平行に近くなったりの失敗があります。
因みに、平行に近いと、逆手から順手に持ち替える一瞬に、釵を床に落としてしまうということもあります。
因みに、棒(棍)術では、組手は棒(棍)の先端を相手の眼に合わせて構えます。
釵術も同じく、構えたときに、柄頭が自然に相手の眼に向かっているかのような角度が必要です。
以前は、注文を受けた釵を、もう1組製作しておりました。
また同じような注文があるかもしれない! そう思ったからでした。
約10~15g程の差の釵が、何組も出来ました。
どうしても、現物を見てから購入したい! とおっしゃる方がいらっしゃいます。
もう1組と製作しておいた釵の5組程を長テーブルに並べます。
何方も同じ行動をしました。そして、共通するところがありました。
約1時間をかけて、次から次に手にとって、振り回してみます。
私は、黙って見ているだけです。
そして、その中の1組を決定します。
初心者・若者は、その中で、一番重い釵を。
経験者・熟練者・壮年は、その中で、一番軽い釵を。
不思議にも、何方も同じように行動して、釵を決定しました。
何故か? 並んだなかの、中間重量を選ぶ方が少なかったのです。
現在は、黙って1時間を費やすのが苦痛ですので、見学購入は遠慮していただいています。
[翼の内幅]
同じ身長・体重でも、手の大きさが異なります。
若いときから、肉体労働などをなさった方は、手が分厚くて大きい方が大半です。
狭くては、回転が難しい! 広くては、しっくりしない!
ここは、重要な部分です。
HPの中に、A・B・C・Dと図示してありますが、その「C」(翼の内幅)の長さを知りたいのです。
なかなか即答できる方はいらっしゃいません。
しかし、直接拝見しなくても、だいたいのサイズは予想できます。
[長さは?重さは?]
私の方から、上記の質問をしますと、誰もが答えられません。
当館のHPで、説明はしてあるのですが、「約3cm長く」が不安になるのでしょう。
HPの中に、A・B・C・Dと図示してありますが、その「B」(物打)の長さを知りたいのです。
その昔、身を守るために、身体より長く!
釵以外でも、殆どの古武器が、約3cm長く。と書かれています。
2寸では長いかな? 1寸くらいかな! そういうことで始まったように思います。
ですから、1寸 = 約3cm なのだと思われます。
自分に合った重量は、誰もが即答できませんでした。
「手首を鍛えるために重い物を」そんな必要はありません。
手首を鍛えなくても使えるのが釵です。
逆に、手首を痛めないように、しましょう。
手持ちの釵や、友人の釵を借りるなどして、台所用の計量器で重量を計測して、どれくらいの重量が自分に合っているのかを考察してください。
500~550g・550~600g・600~700gの見当でよろしいかと思います。
ご相談に応じます
当館の釵は、「師範用」と決められたものではありません。何方でも利用できます。
但し、「八角形・テーパー状に研削できる」という研削機械がありませんので、グラインダーでの長時間の手作業となります。最低労働賃金以下で計算していても、安い物ではありません。
誠に申しわけありません。
居合道の有段者は、模造刀ではなくて、本物の日本刀を使用するように決められています。
古武術でも、玩具ではなくて、本物の釵を愛用なさるように、お薦めします。
琉球古武術保存振興会・琉球古武道保存振興会などがあります。
当館も、「保存と振興」に賛同致します。