鉄を研削・研磨すると、日本刀のように、銀色になります。
そのままにしていると、自然と錆が発生します。
この茶色の錆をウエス等で擦る。表面は一応滑らかになる。又錆びる。また擦る。
そんな繰り返しをすると、以下の写真のようになります。
錆びないように、ペンキを塗ると、衝撃時に剥げたりします。
そこで、銀色メッキをした釵が登場しました。
形演武等で映えるので、かなり流行しました。
ところが、形演武の中にあるように、物打ちと物打ちが当たります。
対棒組手でも、物打ちに棒が当たります。
メッキは傷ついて、膜が破損して、物打ち部を掴んだときに、掌を痛めます。
そして、メッキ製品は消えました。
次に、鉄ではなくて、真鍮・亜鉛・アルミニウム等の合金製が登場しました。
鉄に比べて、強度が無くて、曲がってしまうので、強度を増すために、
太くしました。よって、重量も増えました。
しかし、本来の鉄製品は、依然として残っています。
日本人の体格の向上や、もしもの事を考えた結果。本来の物よりも、重くなりました。
大きくて、重い物ほど、武器としての威力はありますが、
元々は「隠し武器」の世界のもので、3本セットの内、2本は逆手持ちで両手に持ち、
1本は帯に差して、背中側に隠したのですから、できる限り、小型・軽量が望ましいはずなのです。
そして、「居合道の抜き打ち」のように、釵が瞬時に素早く動く。
それは、バランスが良ければ、可能な事なのです。
そして、バランスの良い釵は、持ったときに軽く感じます。
拳銃用の塗料に、「ガンブルー」というものがあります。
一端塗装して、錆を発生させて、その錆を取り除き、もう一度塗装すれば、完成です。
柄紐は、以前は「たこ糸」を使用していました。
その太さは、多種あるので、好みの太さのものを巻き付けていました。
現代は、化学繊維の紐が使用されています。
時代劇で、江戸時代の捕り物用の十手は、岡っ引きと同心は朱色、与力は紫色。
に設定されているようですが、釵は、黒色が一番似合うと思います。
沖縄より本土に上陸した「釵」は、数々の変換をしているのです。
まずは、自分の体格に合ったサイズを使用すること。
自分に合った重量のものを使用すること。
バランスの良いものを使用すること。
聞いて憶える。
見て憶える。
やって憶える。
読んで憶える。
コロナに負けずに、頑張ってください。