卍釵のプレゼント

釵は、本来は3本が1組で、両手に1本ずつ、そしてもう1本を腰(背中か脇)に差す、といわれています。
もしも、1本が手から落ちたときの予備ということと、投げるという技のためです。
釵は、打つ・突く・受ける・打ち落とす・投げるなどの技があるが、投げる技だけは、上手くいかない。
距離によるが、先端が刺さるのではなくて、柄頭が当たることが多い。
卍釵には、柄頭が付いているものと、先端が尖ったものとの2種類があります。

釵製作で、一番苦労するのは、翼の部分です。
機械での大量製作と異なって、1本ずつの手作りなので苦労をしています。
翼は、両方が同じ形状にならなくてはならない。それも2本共であるから、計4箇所を同じにするとなると失敗も多いです。
そんなこともあって、ついつい翼の鋼材を多めに購入してしまいます。
この度、倉庫整理を兼ねて、余った翼の部分の鋼材だけで、卍釵を製作しました。
得意の切子形の柄頭は無くて、先端が尖った形状です。
全長約50cm、重量約450g~500g

以前に、釵を購入した方に、特製のトンファーをプレゼントしていましたが、今回は、この卍釵をプレゼントしようと決めました。
しかし、先着10名様限りとなります。
危険なもののため、不用の方は、その旨を連絡くださいますように。

釵の製作の最近

各社の釵を購入したが、「これが本来の形である」という物は無かった。
そこで、自分で作り始めました。
丸棒に曲げた翼を溶接する。柄の先端に柄頭を溶接する。
物打ち部分を八角に削る。なおかつ先端に向かって細くする。
翼の部分は八角ではなく、丸く円錐形に削る。
バランスを考慮しながら、柄頭を切子状に削る。
2本1組の各々の重量を同じように調整する。
荒削り状態を、仕上げ研磨してピカピカにする。
ガンブルー塗装をする。
柄に紐を巻き付ける。
約1週間で完成となります。

総全長 約52cm
総重量 約550~700g

最近多く見かけるものは、模造刀のように、型にはめ込んだ合金製が
多種見られるが、これらのような工場生産と違って、当館では大量生産は出来ない。

釵についての問い合わせをいただく方は、殆どが高段者・師範です。
あるとき、おそらく師範であろう方からの連絡をいただいた。
「600g以下で、とにかく軽くて、先端が尖った釵を作れないか?」
やってみることにしました。
ちょっと懸念したが、意外にも注文通りの釵ができました。
高齢者には、手首の負担の掛からないように、軽い釵が良いのだと気がつきました。
更に、女性の修行者もいることを思い出しました。
今は、今までの形状ではなくて、この形状にして製作をしています。
どこかが変わっても、切子形の柄頭は、必ず付けます。


あるときは、依頼主の方が所有している釵の加工を頼まれました。
いつもの形状に加工してみたら、殆ど近い形状になりました。
できる物とできない物があるが、合金だったがなんとか完成できた。


釵製作は細かい鉄粉が鼻の中まで入り込む、研削・研磨作業です。
あまりやりたくない作業でもあります。
道場の備品のために、時々思いついたように製作作業をする。
そんな最近です。

釵購入時にトンファーのプレゼント

 どうしたことか??当館の釵の新規購入者には、トンファーがプレゼントされる!!
というような話になってしまった。
なんでそうなるのか??そうなったのか??こちらが困っている。
それでも、当館の拘りの「切子頭の釵」を注文していただくことに感謝して、
それに応じました。
「切子形の柄頭」があって、「組手に使える物」が欲しいというのです。
堅い木材を探しました。私の持っている鉋(かんな)は使えないほどの堅い木材。
よって、新幹線・飛行機を想像するような曲線は無理なのです。
直線のみの設計で行ったら、一日半で完成しました。
またも、もしもを考えて、もう一組を製作したら、やはり一日半かかりました。
「切子形の柄頭」に関する拘りを捨てれば、一日で完成することができそうです。
今後は、当館の釵の新規注文者には、「手製の切子頭のトンファー」をサービスで提供できそうです。
もちろん、不用の方には関係ない話です。



トンファーの製作

 侍が、自分の腰に差す刀の、重さ・長さ・反り・鍔等々に拘ったように、琉球古武術の武器に拘るのは私だけでは無かった。
この度、形演舞用のトンファーの注文を受けました。条件は三つ。
① 把手に切子の形状がはっきり分かること。
② 軽量で・使い易いこと。
③ 誰もが持っていないものであること。
早速始めました。
木材の購入・加工・塗装・・・・
柄頭の切子状に拘ったせいか、二日半も掛かりました。
もしもと思って、もう一組を製作したら、やはり二日半掛かりました。
約一週間をトンファー製作に没頭したのです。
何組(個)製作しても、どうしても、全く同じ物は製作できない。どこかが違う。
完成すると、手放すのが惜しくなる。
一組は、残るが・・・



トンファーを作ってプレゼントしました

 過日に、当館の釵にこだわってご購入してくださったお客様に
トンファーを作って贈りました。
トンファーの柄を握ったときに、二の腕の筋肉が板に当たりますが、
その部分を斜めにカットしたものが当館の特徴です。
そして、どうしても「切子」を附けたいのです。
堅い木ではありませんので、組手には不向きです。





久しぶりの釵の製作

しばらく釵の製作をしていませんでした。
男二人が、1週間もかかって作業、それが市販品より高い金額!!
これは、駄目だ!!と勝手に判断して、やめていました。

8月5日に、息子のために、どうしても買ってやりたいという、もの凄く熱心な母親が連絡をくれました。
聞けば、ネットを調べてもない!販売店へ行ったが気に入らない!買ったこともあるが使いにくい!
息子の先生が持っている釵と、同じ物が欲しいという息子の願いを叶えてやりたい、という熱意が半端ではなかったので、動かされて再開することにしました。

久しぶりにやろうとすると、溶接機が動かない!修理へ出すが、夏休みがあるので、日数がかかるという。
3種類の鋼材も各1mあればよいのだが、定尺の5.5mを買うしかない。
暑いを過ぎて、熱い!!
相棒と二人で、こつこつと毎日。
ようやく完成して、9月2日に送りました。約1ヶ月の奮闘でした。